お仕事と推し事

お仕事と推し事の語り部。

虚無舞台を観に行った話

お久しぶりです!現場が無かったのでのんびり労働したり、リボステのリリイベに行ってみたり、品川プリンスで気の狂った集会(※鉄ミュ)に参加して万歳したりしてきました。

 さて、先日とある舞台に演技の好きな方が出ておられるため行ってきたのですが、その舞台がまぁ初日前、何ならチケ発前からひどい有り様でして。これが…虚無舞台…と次回虚無リンピックが開催されましたら、ぜひ熱い応援の声を送りたいレベルの虚無を観て参りました。

 どの舞台か当ててみて下さい。多分一発で分かると思います。もし答えが分かった若俳界隈の方で観た方がおりましたらめちゃめちゃご意見聞いてみたいです。(※この記事は6月前に書き始めてました。)

 

 

 

 

 

 演技の好きな俳優さんから次の現場発表が来た。

 その頃私はエーステでとても疲弊していたので、何か他の舞台がとにかく観たいと考え、チケ発が来たらチケットを取ろうととりあえず粗方の情報を追うことにした。

 

 その舞台の情報は何故か公式のHPではなく、ネット記事のようなものに全て載っていた。

 

 公式サイトが無いまま、その舞台は高度な情報戦から始まった。

 チケットの先行情報が無い。あるのは公式先行とキャスト先行に関してだ。

 少し検索してると、どうやら数人のキャストさんで有料先行があるらしい。

 チケットは二種あり、S席(と書いとく)は前方確約では無いが、特典が付くらしい。……おい、その情報を普通は作品の公式が出すべきなのでは…??

 おまけに、有料先行は公式のキャス先と日付がズレていた。私が取りたいキャスト先行より、有料の方が早い。

 そして有料ということ、S席に確約が無いことから、指定もこの有料の方が良席が出るのでは無いかと考え、ひとまず指定を一枚申し込んだ。

 ちなみに、有料先行が始まった時点で公式サイトは無い。

 

有料先行が始まった三日後辺りに、ようやく公式サイトが出来上がった。この時点で虚無な予感しかしない。

 S席の特典も発表されたので、その情報を確認した私は、始めその特典に目を疑った。

ブロマイド等が付くのは良い。しかし何故ランダムなのだ。おまけに、それはキャスト先行でも同じだと言う。

………いや、キャスト先行はさ??そのキャスト目当てで観てる訳じゃん??せめて選ばせろよ。それかそのキャストのをつけてくれよ。

 

(おいおい…)と思いながらも、目当てのキャストさんでS席も先行を申し込んだ。前方確約~の件もあったので、二枚取って微妙な席はお譲りに出すことに決めたのだ。

 

この出来事の前に原作の会社が倒産していること、更には先行と前後して原作ゲームのアプリまでサービス終了してしまったのには笑った。虚無な予感しかしない。

 

当落はエーステ大阪と凱旋の狭間に来た。まあ当然ながら二枚とも当選。同時期に鉄ミュの当落も来ていた。この時、エーステラジオや春単独の当落も来ていて、チケット管理がちょっとだけバタついていた。

 

公式先行が終わり、キャストビジュアルの発表があり、見てみたものの

「こいつはやべぇぞ」

という感想しか出てこなかった。

ペラペラなベタなアイドルゲームみたいな安っぽい衣装、修正や加工があまりに下手すぎて、寧ろ素材を殺してきた写真。これ大学生とかが作ったんじゃねとしか思えないデザイン。

 

………間違いない。虚無な予感しか無い。

 

いやこの舞台さ、一応バンドものなんですよ。もっとさ、ビジュアル何とかならんかったの???よくあるアイドル作品じゃないんだぞ???

あ、めちゃめちゃヒント出してしまった。

 

 

4月に入り、その舞台も稽古が始まった。すると今まで冬眠してたのかと思えるほど、公式Twitterが動き出した。

それと連動して、キャストさんのSNSも動き出す。楽器の練習を毎日して手に豆ができたり、同じグループ同士の、よくある稽古写真。

公式もあの3月までの体たらくは何だったのかと問いたいくらいにほぼ毎日きちんと働いていた。しかし遅い。遅すぎる。もう少し早めに動かないと、オタクの不安感は拭えないぞ??ただでさえ公式の会社が倒産しているのだ。不安感しかない。

 

チケ発。好きなキャストさんの方の先行で取ったS席は上手の10列目。。。上手??

おいキャス先だぞ。私が好きなキャストさんはベースだぞ!!!!ベースは下手だぞ!!!!

何故ベースのキャストの先行で上手という立ち位置と真反対な席が出るのか。そんな疑問を持ちながら、もう1枚。有料キャス先の指定席。こちらは19列の通路席

有料先行が後方ながらきちんと通路席を出してきたのは流石だなと感じた。まぁ指定だし、後方なのは致し方ない。この時はそう考え、指定席をお譲りに出すことにした。

 

 

 

そして5月。世間ではエーステ春が始まり、改元による長期GWで浮かれているなか、私は少し戸惑っていた。

………チケットが捌けない。

 

定価9000円のチケットを、7000円に値下げしても捌けない。GWが終わり、5000円にしても、とにかく捌けない。

 

慌ててTwitterを見てみると、それもそのはず。その舞台のチケットはほとんどが定価以下で譲渡に出されていたのだ。

9000円が5000円。中には4500円と、半額まで値下げしている人もいた。そりゃ捌けないわ。

私は万が一のために、後輩に該当の公演日の予定をラインで聞いた。

 

 

 

私の本命、鉄ミュの初日が先に来た。シリーズ初の西武スピンオフ。こちらもキャストがほとんど初めての方だったので、正直不安しか無かったのだが、そんな事を感じさせないくらい、とても良い舞台だった。キャストさんの全力、脚本の面白さ。もう本当にね、良い舞台だよ鉄ミュは…最強だよ…。

7800円以上の楽しさを味わい、その日はニコニコと帰宅した。

 

 

その数日後、結局チケットが捌けなかった私は後輩と待ち合わせした。例のエーステで出会った彼女である。

彼女は今日も可愛らしい。ニコニコと挨拶する彼女を見て、私は彼女の貴重な二時間を頂戴するのが何だか申し訳ない気分になった。

 

 

開場時間に到着すると、既に物販には長蛇の列が出来ており、係の人から今から並んでも開演に間に合わない旨が伝えられた。

物販を諦めひとまずお手洗いに行き、開演10分前に入場し、少し後輩とお喋りしてから座席に着いた。キャスト先行だから、周りはそのキャストさん目当ての人ばかりだろう…と、考えていた。

席に着いて何となく周りを見渡す。

通路から4席目。まず、私の右隣2席は空席。

そして、私の左隣の人から突き当たりまで、つまり11列目最上手までは誰1人いなかった。11列上手ブロックは3人しか座っていないのだ。

更に、私は前の人も居なかった。まぁ観劇するには快適なのだけど。前も2席空いている。

そして、恐る恐る後ろを見る。

…人が、居ない。誰もいない。

何なら後輩の座ってる列の手前までいない。そりゃ思わず「はっ!?」とか叫んじゃうよ。開演前なので許して。

人がいない事態を隣の方とお話し、その方がまさかの私より五歳以上歳上な事にも驚き、オタク活動というのは人も若返らせるのだな…と改めて感じながら開演を待った。

 

開演時間を5分ほど過ぎ、ようやく舞台がスタートした。

テンションの高いオーバーチュアーが流れ、舞台に照らされた映像に、「stand up!お立ち下さい」と流れる。どうやら先にライブらしい。

この舞台は4バンドが対バン方式でライブをする。最初のバンドが演奏を始めた。

しかし、ほとんどが地蔵である。特に前方席ほど地蔵。

郷に入っては郷に従えな私はひとまずのっておくことにした。だが、のってるのは私の周辺、つまりS席の後方にいる原作オタクのみ。前方席にいけばいくほど、地蔵の多さが目立つ。

後ろの席がガラガラなのも相まって、とても冷ややかな温度差が伝わってくる微妙な時間だった。

 

ライブが終わり、舞台上での演技が始まる。

………のだが。

主演級の俳優が何度も噛む、脚本はスカスカで中身が無く単調、演技指導きちんとしたのか??というくらい棒立ちのキャスト、更には「舞台」「演劇」だというのにあまりに棒読みのキャスト……

……あのー、これ、お金払ってるんすよ。1万超えてるの…良いけど…

演奏も大事だけど、本編は舞台では…??

そんな訳で段々虚無り始めた私。勿論、演技のうまい俳優さんも何人かいて、その人が話すと安心した。平和。

あまりにつまらなすぎて、段々と劇場の照明を見始める私。いやぁ…照明最新式でキレイだったよ。

まぁ何やかんやあって、途中、「練習しよう!オー!」

みたいなところが終わった瞬間、いきなりメイキングのような映像が流れ始めた。

………メイキングの使い回しか?練習風景という名の使い回しか??この時間も演技のしようあったのでは…?

 

そして物語は解決に向かい、またライブである。そのライブももう何だか設定がとってもメルヘン。いや、王子様コンセプトのバンドがあるから仕方ないんだけど。

そして好きなキャストさんは良いように使われ、舞踏会のダンスなんぞ踊らされてた。背高いからね。

………いやこれロックバンドのライブちゃうんかい!!!

 

まぁそんなこんなできちんとロックのライブを唐突に終えると、今度はまた唐突に森の吸血鬼達が出てくる。

……吸血鬼、何??流行り??

この時期、ちょうど吸血鬼というか、何か観る舞台で全て首を咬むシーンがあったので、昨今の演劇界での謎の流行りを考えてしまった。

そして、ラスト。ライブ終わったぜ!ぃえぁ!!!!

ではなく、

「こうしてみんな幸せにくらしました♪チャンチャン♪♪」

というめちゃめちゃな結末。

 

 

………????

 

 

 

や、私は一体何を見せられたんだ…??? 

お遊戯…会…? 

鉄ミュ…観てえなぁ… 

 

舞台が終わり、再び後輩ちゃんと合流。まず、この虚無な舞台のために私のために二時間くれた彼女に謝罪の言葉を述べた。座席を埋めてくれただけでなく、彼女の貴重な若いときの二時間をくれたことに感謝だ。

どうやら彼女に渡した席(W列)が指定の最前だったようで、本当に良席は全て有料で出たんだなぁ…と改めて感じた。

 ちなみに、キャス先の謎はカテコの立ち位置でした。そうじゃねぇよ。

 私がライブ中、郷に従ってる最中とりあえず虚無の匂いしか感じ取れなかった彼女は、ガラガラの座席を埋めてほしいために招待されたから来た若手俳優の繋がり、或いは彼女面風を装って腕組みしてライブを観ていたらしい。それを聞いてめちゃめちゃ爆笑してしまった。何それその遊び。天才。

 劇場から離れ、不二家レストランに入ってケーキを食べながらひたすらこの虚無の改善点を話し合ったが、そもそも改善点がありすぎてどうしようもなかった。不二家のショートケーキは美味しかった。

 

 

 

 

 

 

………はい!!!

本当はこれ作品名は伏せて置こうと考えてました。しかし、若俳まとめを先に上げてしまってるので、もう答え出してしまいますね。「ダイナミックコード」でした。ヒューリックの照明しか覚えてないわ…

この作品、その後翌日から一気に4列以上座席詰められたんですよ。ダイナーシートの意味。

関係者席はそれはもうマナー悲惨でした。埋めに…来たんだなぁ…て。

しかし、千秋楽は幸い詰めずにほとんど座席は埋まり、客席もそれなりにノリが良かったのでホッとしました。テンポもスムーズでしたしね。

 

 

しかし、チケット代がこのクオリティでエーステより高いのだけは納得いかん。譲渡祭りで2000円のチケとかありましたよ…

 

 

……虚無リンピックが次回ありましたら、間違いなくこれを推します。