今更、あんステ上映会というお葬式のお話
あんステMoM、色々と事件はありましたが、作品自体はとても良かったのですがね…。
前回の記事で昨年の振り返りを書いていて、ふと色々思い出しました。これ、マジで記憶にあること全部書いてる。
てな訳で、一個人から見たあんステ上映会。
あんステフェスの横浜、神戸の発表があった時、私は推しへのリアコを少しずつ拗らせ始めていた。
これではいけない。他現場に足を運び、推し以外の顔の良い男達を見に行く機会でも作れば、少しは気を逸らせるかもしれない。
そう思い、横浜公演はまぁ無理だよな。と考えながら神戸のチケ取りをした。横浜と違い、神戸は無事当選。ホッとしながらその日を待つことにした。あんスタのゲーム好きだし、ステに関しては二推しが出ているし、個人的に可愛い谷水君もいる。ステの初現場ということでワクワクしていた。
しかし、ずっと落選続きだったリボステの追加公演が決定。おまけに一般に勝ってしまい、まさかの現場被りが発生。ギリギリまで悩んだが、東京公演での悲惨な様子、運営の酷さにあんステフェスを直前に譲渡し、リボステを優先した。あんステはライビュ等も積極的にやるので、何かしら見られるだろうという気持ちもあった。
さてさて、案の定あんステフェスは応援上映が決まり、ゲストも来るということだった。
その頃、私は推しの現場が楽しく、リアコを絶賛拗らせていた時だったので若俳界隈の何もかもが楽しかった。若俳界隈でのアカウントを作り、自分と同じような境遇のフォロワーさんと仲良くなってみたり、お題箱を見たり。譲渡の方法も覚え始めていた。
そんな中で、休みが出来たものの推しの現場も予定も無いある日。あんスタをやってる時にふと、あんステの上映会の事を思い出した。
そこで、上映会のチケットの譲渡を探した。すると、当日に上げられたツイートが見つかったので、先方に連絡。見事にその日の予定が埋まり、私はニコニコと日中を過ごした。
お昼ご飯を食べ、そういえばキンブレ!と思い池袋のメイトで調達。封筒にお金を入れて、2週間前までほぼ毎日通いつめていた天王洲アイル駅へ。
りんかい直通の埼京線の中で、ステフェスについてや、よくお世話になっているお題箱さんの様子を流し読みした。
東京公演の物販の酷さ、卒業キャストへの扱い、新しいキャストへの意見や批判…。
その頃一番話題をさらっていたのは、皆様ご存知なめ介だった。あんステ界隈だけではなく、若俳界隈の誰もが1度は目にしたであろう迷言
「俳優古畑恵介なめんな。」
もしこれを読んでる人の中に、古畑さん推しの人がいたら、あんステファンの方いましたらごめんなさい。正直言います。今回の応援上映に足を運んだのは、あんスタを好きな気持ちだけではなく、話題の現場を見ておこうという気持ちもありました。
応援上映の様子もネットに上がっていたので、それも踏まえつつ。その時点では、
「表面的には普通の現場なんじゃね?」
とのんびり構えていた。ネット上だからこそ、悲痛の叫びを目にしやすいだけなのではと。そう考えていたのだ。
さて、お馴染み銀河劇場に到着すると、そこにはリボステの時とまた違う人達で溢れていた。
痛バの多さ、界隈の人達の系統の違い、そして何より若い。ファン層がとても若いのだ。
まぁそれは当たり前の話。作品の年数や媒体が違えば客層も違う。リボステはアラサーの私が高校生くらいの頃の作品だ。そりゃあ違うよなぁ…と物見遊山で楽しく取引現場へ。
2週間前まで当日券列の基準にしていた2階エレベーター前辺りで、無事にお譲り頂くキレイなお姉さんとお会いしました。手渡しは一番安心できますね。
チケットを頂き座席を確認すると、そこに書かれていたのは、応援上映とは言えゲストが来るのに、値段にしてはあまりにもな良席である4列目上手センブロ。
「え!?」
とお姉さんを思わず見やると、何故かお姉さんは
「地獄なお席で申し訳ないのですが…」
と、本当に申し訳なさそうな表情でお話するではないか。
私はその時はひとまず、
ありがとうございますー大丈夫ですよー!
と当たり障りの無い返答を返した。
最早慣れ親しんだ銀劇の赤い階段を昇り、会場に入って一息。あぁ、リボステでこの席座りたかった…
そんな事を考えつつ、後ろの席の恐らく女子大生くらいの女の子達の可愛い会話を聞いていると開演。
キンブレをカチカチ鳴らしながら色を変え、
谷水まー君が今日も可愛いなとか
2推しは今日もイケメンだなとか
荒牧さんが凛月の時はジェネリック伊野尾感が上がるなぁとか
メロダは本当に盛り上がるなぁ…
なんて呑気に楽しんでいた。山本一慶顔が良い。
推しのいない現場ほど、情緒が平和で気楽なものは無い。ましてや映像である。普通に第一部を私は楽しんだ。
……のだが。
紅月、fineの卒業セレモニーはなんだ。何だこのリスペクトが感じられない激しくダサい映像は。作った人素人??大丈夫??
まぁ、「ん?」とは思ったものの、顔の良い人達を観てるとそんなことは割と些細な事である。
休憩に入ると、私の後ろの女の子達がキャピキャピと学生時代の教室のようなおしゃべりをしていて、ちょっと懐かしく感じた。
さて、休憩が終わり、キャストさんのトークショーの時間である。
小澤さんと樋口さんが軽快に、楽しそうにあんステやステフェスの思い出話に花を咲かせていた。個人的に小澤さんのお顔が好きなので、前方席でしっかり拝見できて満足していた。勿論、それは樋口さんもである。
こんな良い席お譲り頂けて感謝だなー…と考えていると、2代目弓弦役の渡邉君が小澤さん達に呼ばれた。舞台袖で見ていたらしい。
ステフェスや、fineのお話。正直半年くらい前なので何を話したのかは忘れぎみだけど、彼が途中で泣きそうになっていたのは覚えてる。渡邉君は本当にめちゃくちゃ良い子そうで、彼が急遽ステフェスに出ることになった事情など考えると本当に頑張ったなぁ…と感じた。高校生だもん。これから頑張ってくれ。
渡邉君は、彼なりに真摯に、真剣に弓弦という役と向き合ってる感じがその時点ではした。渡邉君はね。
彼を舞台袖に戻して、小澤さんと樋口さんもここでお別れ。
お二人の姿が無くなるとすぐ、トークショーの司会の男性が高らかに声をあげた。
「さぁ皆様、お待たせ致しました。新生紅月、fineの登場です!」
なんかこんな感じだったと思う。不思議なくらい明るめの声をあげたのでびっくりしたのだが、理由は周りが教えてくれた。
司会の方の言葉と前後して、まずお隣さんが下を向いてうつむき出したのだ。
そして、あちこちからため息や、後ろの女の子は舌打ちもしていた。
そら声も明るめにするよね。客席が不穏なんだもん。
客席の温度が徐々に下がっていく。その客席を銀劇のライトがクルクル回って照らしていた。
そして、クルクル回っていたライトが止まり、バーーン!!!!!!と新キャストさん達が舞台に登場した。
………違和感。果てしない違和感。
これは何も新キャストさんだけではない。
司会者さんの無理した明るい声と、新キャストのぎこちない立ち振舞いと、客席の冷めた重たい空気。全てがチグハグで違和感しかないのだ。
何より、私は座席が悪かった。
前方席というのは、原作ファンだけでなく、ゲストのために色々尽くされた俳優ファンもいるのだ。
折しもゲストは小澤さん…はまだ良い。それより定本さんのファンの方々。
推しの作り上げた神埼というキャラクターをこれから踏みにじられるかもしれないキャスト(なめ介)が目の前にいるのだ。怒り狂っても私は仕方ないと思う。むしろ怒るしかないだろこれ。
そして、熱心な原作ファンで神埼推しの方。やはり同じく怒り狂っても良いと思う。
分かっていたけど怖い。回りの虚無を感じるのも、怒りを感じるのも、何もかも空気を肌で感じ取れてしまって怖い。
そして、まぁ当然の如く司会の方は新しいキャストさん一人ずつに言葉を求めた。
鬼龍さん役の人、蓮巳さん役の人…
そして、古畑さん。
先の二人と同じようにきちんとご挨拶をしていた、と初見の私は思っていた。のだけど、どうやら出演された全挨拶で同じ言葉を述べていたらしい。それも一字一句変えず。
古畑さんが話し出した途端、前に座っていた人が泣き出した。
隣の人はとても険しい顔つきで古畑さんを睨んでいた。
彼が話してる最中、会場のあちこちからすすり泣きの声が聞こえた。
そして、何より怖かったのは後ろの人達の圧だ。
振り向かなくても分かる。もうね、後ろの人達の視線の向け方が痛いんですよ。悲しみの圧がすごい。
ここはお通夜か??告別式か??
というくらいのあの独特の空気が劇場に溢れていた。いやこれマジですからね。すごい。本当にお通夜疑似体験ってくらいの経験をしました。
その後、fineのキャストさん達が挨拶を続けられてましたが、fineのキャストさんは本当に頑張られてました。あの空気の中、英智役の方はよく次の挨拶をされたと思います。
渡邉君も頑張ってたよ…高校生なのにこんな雰囲気に放り込まれてさ…。しんどいよ…。
いやぁ、地獄でした。これは確かに前方席のが地獄だわ。逃げ場が無いもん。
特に、推しが旧キャストさんの方なんて本当にね、生き地獄だよね。や、新キャストさん推しにも地獄だわこれ。推しが歓迎されていない空気に放り込まれるとか私無理だ。
最後、司会の方が「新キャストの皆様に大きな拍手を!」とテンプレな挨拶をされ、仕方なくパラパラと拍手が上がりましたが、前方席ね、ほっとんど音しなかったよ。最後まで全てが上滑りの、恐ろしい現場でした。
……………はい。これ1月に書き始めてたんですけどね。本当にね、あんステ運営は悔い改めて欲しいよな。
ここに書いたことは本当に全て事実です。私自身嘘だろと思いたかったですよ…。
もうこんな悲しいことが起きないでほしいな。